8月28日 ウポポイ(その3)

何が最も重要なのか!

 『8月20日、裁判での和解が成立し、浦幌町のアイヌの団体に遺骨が東京大学から返還された』というニュースが流れた。遺骨は明治21年と昭和40年に浦幌町内の墓から掘り出され、東京大学が保管していたもの。今回、6体の遺骨と副葬品が返還されたという。以前にも書いた『リペイトリエイション』の流れは遅ればせながら日本でも始まっている。少し『安堵』の気持ちを持てた半面、ニュースの続きに耳を疑う。『遺骨は木箱に入れられアイヌの団体に送られて来た。東京大学からの謝罪はなかった』・・・何が重要なのか!『遺骨』という『物体』の所有の問題なのか!・・・何か違うように僕には思える。人間としての精神世界が尊重されず、研究対象として『物』として扱われ、あるべき所から持ち去られたこと・・・そのことが良い事でなかったことに気付くこと、気付いたことが重要なのではないか・・・であるなら、最も重要なのは『謝罪』ではないだろうか。・・・と、自分は思う。まあ、こういう事についてはいろいろな意見があっていいと思う。
 2011年6月、アイヌ政策推進会議は『アイヌの精神文化の尊重という観点から、各大学等に保管されているアイヌの人骨については、各大学等において返還するとともに、遺族等への返還の目途が立たないものについては、国が主導して、アイヌの人々の心のよりどころとなる象徴空間(今回のウポポイ)に集約し、尊厳ある慰霊が可能になるよう配慮する』とした。まだ、1653体の遺骨が大学の冷たい倉庫に眠っている。


 人種差別の問題も同じベクトルの中にあるように思う。大坂なおみがテニスの大会をボイコットした。そのコメントには悲壮感さえ漂う。28日大会本部の対処、説得によりボイコットは解消された・・・大坂を動かしたのも『謝罪』『共感』のように思う。
 ウポポイがスタートになれば・・・(遅すぎだけど・・・)