グライダーチェック
パラライフ北海道では、グライダーチェックを行っております。
ご用命の際は、以下の文章をよくお読みいただき、ご納得の上ご依頼ください。
〇 パラグライダーの劣化とは
キャノピーについて
パラグライダーの生地は、コーティングされていますが、使用又は経年劣化等により空気を通しやすくなっていきます。
「空気漏れが進む」=「劣化が進んでいる」という認識でよいかと思います。極度に劣化するとディープストールや生地が裂けるリスクが生じます。
ラインについて
フライト中にラインにかかる荷重は、Bライン > Aライン > Cライン > ブレークライン の順で小さくなると言われています。
一般的に、荷重があまりかかっていないラインは、ほかのラインに比べて縮みやすく、年々迎角が上がる傾向になり、飛行性能の悪化が起きます。また、ライズアップや頭上安定が難しくなります。
〇 グライダーチェックとは
各種検査を行い、現在のキャノピーとラインの状態を確認するものです。キャノピーに関しては改善の方法はないため現状把握のみとなりますが、ラインに関してはご要望に応じて調整や交換にも応じます。
「生地の空気透過率検査」 : 専用の器具でキャノピーの生地の透過率を検査します。筒状の専用の器具の穴をキャノピーで塞ぎ、下にぶら下げた重りで空気を引き込み、その空気の透過具合を計測します。「重りが下がりきるまでの時間が長い=透過率が低い=生地の劣化が少ない」。「時間が短い=透過率が高い=コーティングの劣化が進んでいる」といえます。上面の3か所のセルを検査します。

「生地の強度テスト」 : キャノピー中央上面に計測器の針を刺し、600gの荷重で引っ張ります。刺した穴が広がらなければ強度は問題ありません。具体的には針の穴が5㎜を超えないか、つまりリップストップが崩壊しないかを確認します。穴が広がった場合はフライトには不適と判断します。
※ 空気透過率の検査結果が1か所でも30秒以下があった場合はこの検査を行います。

「全ライン長の計測」 : レーザー機器を用いてラインの長さを測定し、公式ラインデータと比較します。

〇 グライダーチェックで現状を知った後は?
空気透過率検査で30秒を切ったら注意(毎年検査推奨)。10秒を切ったら当校ではリスクのある状態とみなしています(フライト不適)。また、補修等をして結果をよくすることはできません。
ラインは、A~Cの誤差が±10mm以内であれば正常としており検査終了です。
誤差±18mmほどまでなら調整が可能です。
「ラインの調整」 : メインライン(ライン分岐の一番下)のラピッドリングへの巻き方を変えることで10㎜~20㎜程度ずつ短くして調整箇所を再計測します。データ上のライン長自体に合わせるわけではなく、データ上のラインバランスに合わせるという作業です。

それ以上の誤差、上記調整ではバランスが取れないものに関しては、全ライン交換になります(調整するかどうかは計測データを見て電話等でご相談させていただきます)。
※調整・交換は別途費用がかかります。
「全ライン交換」 : 全てのラインを交換し、全ライン長を計測します。ライン調整では間に合わない全体的なラインバランスのずれに対応します。(ラインの納期に数か月程度かかることがあるので、ご検討の際はお早めにご連絡ください)

〇 グライダーチェックが効果的なタイミング
新品時の生地の空気透過率は、メーカーや機体により大きく異なるものです。
ですので、生地に関しては、新品時の基準値を測っておき、定期的(2年毎など)にチェックするのが劣化の推移を判断しやすくなります。
ラインに関しては、メーカーごとに「〇年(〇〇時間)ごとにグライダーチェックをしてください」のような指定がありますので、それを参考に検査をしてください(インテーク付近のタグに書いています)。
〇 受入れ条件
・ 検査可能期間 : 通年可能
・ JHFの会員登録が有効な道内フライヤー
・ 日本の代理店から購入したパラグライダーおよびラインデータがあるパラグライダー
〇 通常のチェックの流れ
※ 太文字はお客様が行っていただくこと、細文字はパラライフ北海道が行うことです。
1. お客様からご依頼
氏名・所属クラブ・メーカー・グライダー名・サイズ・シリアル番号・連絡先・配送先・ご希望の検査項目をお知らせください(ページ下のご依頼フォームから)
2. ラインデータの有無を代理店に確認後お客様にご連絡します。
3. 検査が可能な場合、お客様からグライダーを発送してください。グライダーが届いた時点で「受付完了」となります。
4. 各種検査(流れはフローチャート参照)を行い、終了後データとともに返送いたします。
5. 納品確認後、請求書の内容をお支払いください

〇 全ライン交換を当初から希望の場合
1. お客様からご依頼
氏名・所属クラブ・メーカー・グライダー名・サイズ・シリアル番号・連絡先・配送先・全ライン交換希望の旨をお知らせください(ページ下のご依頼フォームから)
2.ラインデータの有無とラインの納期に関して代理店に確認後連絡します。
3. ラインの納期に合わせてお客様からグライダーを発送してください。グライダーが届いた時点で「受付完了」となります。
4. 空気透過率検査、全ライン交換、ライン長測定を行い、データとともに返送いたします
5. 納品確認後、請求書の内容をお支払いください
※ お客様のグライダー到着(受付完了)からお客様へグライダー発送(納品)までは15日ほどかかります。大雪で交通がマヒする等、不測の事態が発生した際はそれ以上かかる場合もあります。また、夏季営業中の全ライン交換は、実施可能日が限られているのでお客様の発送から納品まで3週間程度の猶予をいただきます。
〇 料 金 (すべて税込価格)
・基本プラン
空気透過率検査(※)&ライン長検査 : 20,000円 (HHPFの助成があり、年間先着20機 5,000円割引)
追加メンテ ① ループによるライン調整&ライン長再検査 : 10,000円
追加メンテ ② ライン交換&ライン長再検査
ライン代(実費 1本 数千円) + ライン交換・ライン長再検査手数料 : 1,500円/1本
追加メンテ ③ 全ライン交換&ライン長再検査
ライン代(実費 約10万円) + 全ライン交換・ライン長検査手数料 : 35,000円
・当初から全ライン交換希望の場合
空気透過率検査(※)&ライン交換&ライン長検査 : ライン代(実費 約10万円) + 全ライン交換・ライン長検査手数料 : 40,000円
・空気透過率検査のみ : 5,000円
定期的に検査をしていただける場合、新品時(新品でなくても初回)の計測は無料で行います。
(※)30秒未満が1箇所でもある場合は、生地の強度テストを行います(追加料金なし)。強度テストで不合格の場合はフライト不適とみなし検査を終了します。
〇 グライダーの預け方
直接お越しいただくか、お客様負担で発送をお願いします。
〇 グライダーの送り返し方法
・道内発送の場合、送料サービスいたします(空気透過率検査のみの場合はご負担いただきます)。
・直接お越しいただいた場合、1,000円割引させていただきます。
・道外に発送希望の場合は、送料はお客様負担でお願いします。
〇 グライダー発送先
〒046-0531 北海道余市郡赤井川村旭丘78
佐々木 泰文
090-9740-1124
〇 注意事項
※ インテークが一定以上小さいグライダー(約16cm以下)は、空気透過率の機材が入らないため空気透過率検査ができません。今までの経験上、Dクラス・コンペ機は検査できない可能性が高いです。
※ 代理店やメーカーにラインデータがない場合、ライン長検査は行えません。
※ 調整や交換を行った機体は、フライト前に必ずグラハンやショートフライトをして、ハンドリング・ブレークの長さを確認してから高高度フライトをしてください。
※ 納期のご指定は基本できません。日数に余裕を持った日程でご依頼ください。
※ グライダーチェックは、グライダーの寿命を延ばす機能はございません。あくまでもグライダーの現状を確認するものです。
※ 強度テストを行うことで生地が破れる可能性があります。破れた時点でフライト不適となりますが、破損の補償は致しかねます。
※ インボイス領収書の発行はできません。