7月28日 翼型:飛行重量

更に、面倒くさい話には、なりますが・・・

 同じキャノピーでも飛行重量が違えば『別物』という話です。
 面倒くさい話が嫌いな人のために、結論から書いておきましょう!
 軽めで乗る(翼面荷重が小さい)と、揺れが大きく、しかも進まない!更にブレークが軽い。揺れをコントロールしようとする(ブレーク操作をする)と滑空性能が出ない!・・・何か、良いことは全然ない気がします。
・・・実は、これと似たことが『体重の軽い人』で起こります。原因が全く別なのですが、同じ適性重量で飛んでいても『小さな機体は安定しません!』(だから体重が軽いパラの選手は重りを積んで大きなキャノピーに乗ります)、このことは、わかってあげてないと・・・
 上の図はそのこと(軽めで乗ると揺れが大きい)を摸式化(極端ですが)したものです。上昇風と下降風の中での飛行方向(速度)をベクトル(矢印)で表しています。
 重めで乗った場合;上昇帯では『オレンジ矢印』、下降帯では『紫矢印』
 軽めで乗ると;上昇帯では『黄緑矢印』、下降帯では『水色矢印』となります。
 ここから、上昇、下降のある大気中をグライダーがどう飛行するか想像できますか?・・・できた人は『軽めで乗りたい』とは言いません!
 面倒くさい話ですが、この図をどうやって作ったかを説明します。まず、

この右図は、『重め』(赤)と『軽め』(青)の滑空速度を表します。重くても、軽くても滑空性能(滑空比)は変わりません。飛行重量範囲内であれば同じ『ポーラーカーブ』だとメーカーは説明しています。この滑空速度を『水平方向(横)』と『鉛直方向(縦)』に分解してみます。前者は『対地速度』後者は『沈下速度』と考えてもいいです。
 つまり、『軽め』の人は対地速度も沈下速度も小さい=「ふわふわ飛ぶ』ことになります。
 これに『上昇風速度(黄色矢印)』と『下降風速度(ピンク矢印)』を合成します。『重めの人が上昇帯で飛行する(オレンジ矢印)』=赤矢印+黄色矢印 となります。こうして一番上の図が出来ています。『軽め』の人の上昇、下降が更に大きくなっています。これが更に『ふわふわ』で『恐怖』の原因にもなります。