8月7日 アホウドリについて

 赤井川もすごい風でした!

 ちょっと『恐怖』を感じるような風でした。風速は計っていませんが、瞬間風速は30m/sぐらいはいっていたのではないでしょうか。雨はそれほどでもありませんでした。当然のことながらスクールはお休み!少し時間が取れますので、今日は『アホウドリ』について!
 まずは、『ダイナミック・ソアリング』について!そして、『アホウドリ』そのものについても書かせてください。もう、40年以上前になりますが、自分は東邦大学・海洋生物研究室で卒論を書きました。テーマは『シラサギの採餌行動』でした。師事したのは長谷川先生という先生で、アホウドリの研究、保護活動の世界的権威でした。そんなこともあって自分も少し『アホウドリ』への思い入れがあります。
 もう一度確認します。『アホウドリ』は翼開長210~240cm、アスペクト比=10.7、翼面荷重=12.3kg/m²!まるでグライダーです。そう!グライダーなのです!鳥の翼には『揚力発生装置』の意味合いと『推力発生装置』の意味合いがあると前回かきました。『推力』を重視している鳥の代表は『ハチドリ』でしょうか?ホバリングもみごとにこなします。対して『アホウドリ』は徹底的に『揚力』にこだわっています。ですから、飛んでいる間、羽ばたく事はほとんどありません。と、言うことはいくら飛んでも『エネルギー』を使わない!ということです。・・・が・・・羽ばたく事が苦手なため、『自力で飛び立つことができない!』のです。・・・ここは、パラと似ているかな?陸上から離陸するためには、アゲンストの風を受けて坂を駆け下りて行きます。アホウドリに近い仲間の『オオミズナギドリ』はもっと大胆な方法で離陸します。見通しの良い所にある木によじ登って、木の上からダイブします!!(当然、失敗するやつ、木に引っかかるやつがいます)・・・でも、一回飛び出してしまえば高速、高い滑空比でとびます。ここで『ダイナミック・ソアリング』という方法を取ります。
 決して高くは舞い上がりません!(高く飛ぶこともあるのですが)海面すれすれを飛びます。速度をつけたい時は羽ばたかずに一度上昇して、下向きに飛ぶことで加速します。海には常時強い風が吹いています。この風と海面との摩擦抵抗により、海面側は風速が急激に落ちています。ここに圧力差(上が低圧、下が高圧)が生じ、上向きの風(力)が生じます。これを『ウィンドグラジェント』といい、この上向きの力を利用してのソアリングが『ダイナミック・ソアリング』です。『ミズナギドリ』という名前もこの海面すれすれを飛び続ける事に由来します。
 よって、風がなくなってしまうと『アホウドリ』も『オオミズナギドリ』も飛ぶことが出来ず死んでしまいます!ここは、ちょうどヨットと同じですね。世界を巡るヨットにとって最大の敵は『無風』です。なので、ヨットで世界を旅する人は『赤道無風帯』を極端に嫌います。
 長くなったので、『アホウドリ(オキノタユウ)』の話は次回!興味のある人はネットで調べてみてください。奇麗な鳥ですよ!(見たことないけど・・・)