8月9日 翼の構造を知る

 やっぱり、飛べるといいですね!

 自分は精神的に弱い面があり、あまりにも飛べない日が続くと、萎えてしまい、『飛ばなくてもいいか・・・』となってしまいます。飛べると『飛びたい!』という気持ちがまた復活してきます。こういう精神的な浮き沈みはあまり良いことではなく、いつも『中庸を保つべし!』と自分に檄を飛ばす(この、〈檄を飛ばす〉の使い方は間違いだそうです)のですが、同時に『これが自分だ!』とも割り切ります。『出来損ないの方が楽しい!』と考えてしまえばとても楽になります。そんな自分にとってこの文を書く作業は大きな『精神安定剤』になり、モチベーションを上げる楽しい作業です。
 このごろ、『面倒くさい話』が多くなってしまっていると反省はしつつ、今日もちょっと面倒くさい『構造』の話です。
 翼の構造なんて知らなくていいのですが、知っていると何かと『役に立つこと』『楽しいこと』があります。先日、ミニパラをつくった時(6月23日掲載)、こんな構造なんだ~!と実感しました。『構造は実際に分解してみなければわからない』(まあ、分解してもさっぱりわからないのですが)です。自分は少年時代、この『分解魔』の所が若干あり、いろいろなものを『分解』して来ました(ほとんどのものは、元に戻せなくなる)。・・・で・・・大人になった後もその傾向はあり、一時『骨』に興味を持ち、『骨格標本』をかなりつくりました。
 上の写真は『ウミガラス』の仲間の『右翼』(腕)の骨格です。今日はこれを使って『鳥の翼の構造』について。
 自分の腕にある『骨』の名前はわかりますか?自分(人間)と鳥を比較してほしいです。これも余談(この文章は全部、余談!)ですが、人間の腕と鳥の翼は進化の経緯を見ると大きな類似性を持っています。(この話もし始めると終わらなくなる)

 Aが肩甲骨、この骨の周りの筋肉の血流が悪くなると『肩こり』の要因となります。・・・鳥に『五十肩』とかあるのかな?
 Bは上腕骨、Cが橈骨(とうこつ)、Ⅾが尺骨です。CD部分を前腕と言います。上腕と前腕の間の関節(B-CD関節)を『肘(ひじ)』と言います。この肘関節から先(前腕)を回転(親指側に回す動きを回内、反対を回外といいます)させるために前腕には骨が2本入っており、それが橈骨(親指側)と尺骨(小指側)です。この二つの骨の間の関節を橈尺関節(C-D関節)(ちょっと表面上わかりにくい関節ですが)と言い、この関節を使い回内、回外が行われます。この関節を使えるのが人間(もちろんサルも)と鳥で、使える理由は『樹上生活』です(ものすごく大雑把に言うとですよ!)!!
 脊椎動物(骨のある動物)で前肢(腕とか翼)を振り回せるのは、人と鳥ですよね!更に言うと、野球ができるのも『樹上生活』のおかげということになります。野球のコンディショニング・コーチをしていた時、子供たち(中学生)にこのことを随分説明しましたが、かれらはわかっていたのでしょうか?因みにコンディショニングでは投球動作を、挙上(肩甲骨)-内転-内旋(肩)-回内(肘)に分けて指導します。指の動きは指導しません。なぜかというと指は一方向にしか動かず、だれでも、指導しなくても同じ動きだからです。動きとして一番わかりにくいのが挙上を含む肩甲骨周りの動きであり、最も重要なのもそこ!お子さんがいる方、お孫さんがいる方はぜひ覚えておくといいと思います。最近は『肩甲骨トレーニング』の書物もいっぱいありますので。で、最も壊しやすいのが、肘です。自分は肘(上腕骨上顆部)を壊して野球を断念した子を何人も見ていますし、テニスでは(テニスのコーチもやっていた)更にひどくなって上腕骨骨端線部分が剥離さらにずれが生じて『箸を持てなくなった』という話も聞いたことがあります。自分自身も左右の肘の向きが変わってしまっています。今時『星一徹』(?巨人の星・・・って言ってわかる人は何人?)的指導はナンセンスです。注意してあげてほしいです!・・・また、だいぶずれて本論に入れない・・・
 Eは手根骨(手首)、Fは第一指指骨(親指)、Gが第二・三中手骨(癒着しています)。HとIが人差し指、Jが中指です。
 鳥の場合、この3本の指先の動きはあまり気にしていないように思いますが、羽先(初列風切羽)のポジションはかなり気にして飛んでいます。
 トビのサーマル内でのスピードコントロールの話の時に、上に書いた『骨』の事がわかっていると理解が早いかもしれません・・・が・・・