10/31(土) 貴重な1本
南西~北西~南西と変わる予報。
続きを読むあしひきの山の木末(こぬれ)のほよ取りて、かざしつらくは千年(ちとせ)寿(ほ)くとぞ
もう、北海道では『紅葉』の季節から『初雪』の季節となっています。森の木の葉がなくなり始めると『ヤドリギ』が目立つようになります。『ヤドリギ』はラン科の寄生植物で、古くから『薬草』として使われ、『健やかに育つことの象徴』ともなっています。古くは『ほよ』(保与)と呼ばれていました。
上の句は万葉集、大伴家持の作とされます。780年と言いますから今から1200年以上前に読まれた句です。この歳になるとなんとも心にしみる句です。・・・たぶん何らかの季節の節目(冬)に、子供にヤドリギの冠を授け、いつまでも(千歳)健やかであれ・・・と・・・。僕らの生活は随分と便利になり、今や5G時代・・・ですか・・・でも、子供(次世代)を思いやる気持ちはもしかしたら千年前の方が・・・。僕らの世代は子供たちに何を残せたのだろう・・・地球温暖化、放射性廃棄物・・・。
では、僕は・・・。何一つまともな事はできていないけど、この後、パラライフがどんどん元気になってくれることを願っています。ここに来てルスツで随分タンデムをやらせてもらっていますが、客層に明らかな変化があり、20代前半がほとんどです!もしかすると『パラ』にとって良い時代が来るのかもしれません!更にフウカが健やかに成長することを願います。
テイクオフのコケの上にシナノキの種が落ちていました。あの、森を埋め尽くした香りは次の世代に引き継がれていくでしょう!
明日に期待をしつつ、自分も新たな旅に出ようと思います。不安は大きいけれど、赤井川での経験は必ず役にたってくれるでしょう!お互いに元気に、健やかに・・・
・・・合掌・・・
10月22日にクラブハウスの2階を片付けました!
札幌のマンションの方の引越しの準備も着々と進み、『いよいよだな!』と考えてしまいます。埼玉に行っても『パラグライディング』は続ける、とは思います。・・・が・・・最後に『パラ』を振り返ってみます。
とにかく『面倒くさい』レジャー(スポーツ)ですよね!
始めるきっかけは、ほぼみんな同じ!『空を自由に飛びたい!』です・・・たぶん、ここに『ソアリング』や『クロカン』の意識はないと思います。ここから本当に始めるまでのハードルはちょっと高いけど、そのハードルを越えて・・・!
始めてみてとってもイライラするのが『飛べない』事!雨、風はそれは仕方がない!でも、パイロットがあんなに気持ちよさそうに飛んでいるのに何で練習生の自分は飛べないんだ!天気や仕事によっては1か月以上飛べないことも、そして冬も『冬眠』、でも、飛べるとやっぱり気持ちがいい!何とか早くパイロットになって『自由に』空を飛びたい・・・。まあ、パイロットになって冷静に考えると、これは至極当然の事!知識も経験もそして技術もない練習生が飛べる空の範囲はすごく狭い!
この、『知識』『経験』『技術』がまた、面倒くさい!
『知識』・・・本当にいろんな知識が必要になって来る。どうしても知っておかなければならない事も多いが、知っておいた方がいい事は数限りない・・・これは本当に『面倒くさい』・・・でも・・・自分にとっては、これはかなり『楽しい!』特に飛べない時、気象や空力、地形やそのほかいろいろな事を考え、調べることは飛ぶことと同じぐらいに面白い!!そして、それを実際のフライトに活用できるのだから!!!
『技術』・・・フライトテクニック・・・これはインストラクターから直接いろいろ教わるのだが・・・これもまったくもって『面倒くさい』・・・と、言うか、何を言っているのかよく分からないことが多い!自分が最初に引っ掛かったのは、『ウェイトシフト』・・・これが何故か分からなかった。が・・・今となっては、何故わからなかったのかが、わからない!『技術』が数値ではなく『感覚』であり、しかもそれを飛んでいない時に口で説明する・・・これは、わかるわけがない・・・数学の授業を黒板を使わずにやっているようなものだ!今は、インストラクターがタンデムフライトで実際に操作をその場で見せてくれることも、そして練習生が実際にやってみることもできる。そういう意味でタンデムフライトは技術習得の早道にはなると思う!・・・自分は未だに『サーマルフライト』がわからない・・・
『経験』・・・これが、一番厄介だ!『経験』できないのだ!何が危険で何をやってはいけないか、『経験』すればわかるだろうが、よっぽどでなければ『経験』できない(ヤスさんはそういう講習を受けてきている)。ちょっとずつ、危なくないようにできる範囲を増やしていくしかない。これとて『絶対安全』はなく、ちょっとしたこと、もしくは何でもなさそうな事も『事故』や『インシデント』につながる。一度事故が起きてしまえば、大きな事になりかねない。『事故』はむしろ『経験』のあるパイロットの方が起こしやすいかもしれない。
パラグライディングは本当に『面倒くさい』・・・でも、この『面倒くさい』が『面白い』!焦らず、のんびり『面倒くさい』を『楽しむ』ことが『パラ』とうまく付き合う方法かもしれない。そして、何よりもそれを共有できる仲間がいることかな・・・
・・・今までありがとうございました。
ちょっと真面目な話ですが、『レスキュー』について!
12年前にパラを始める、その前から、『リーダーシップ』『リスクマネジメント』そして『レスキュー』は自分の中での大きなテーマでした。ここまで来て、教育論をぶつつもりはありませんが、日本の公教育がこの分野について何と無関心な事か!そして、本当はこのことはとても重要だと自分では思っています。『レスキュー』については、運動系部活の生徒全員に対する『救急救命講習』『AED講習』に取り組んだりして来ました。何故か・・・それは、思った以上にそういう場面に出くわすからです。自分自身、何回もそういう場面に遭遇し、AEDも実際に使用しました。そして、パラグライディングもこのことと無縁ではない・・・というより、他のレジャーよりこの場面を多く持っているかもしれません。ないにこしたことはない、のは、もちろんですが、備えは必要!そして、これは『誰かが知っていればいい』もっと明確に言うと、『イントラが知っていればいい』ということではなく、なるべく多くの仲間が知っていた方がいい事です。(と、自分は思っています)・・・と、いうことで『レスキュー』の話です!
ただ、『・・・しなければならない!』となると辛くなってしまいます。『自分のキャパを広げる事を楽しむ』レベルで考えるのが、良いのではないでしょうか。人によって『知識』も『経験』も違い、それにより『キャパ』にも大きな差が出ます。また、得意分野も違います。『3人寄れば・・・』とも言います。
失敗例を出しましょう!あるエリアでタンデム機が電線に引っ掛かり2人とも宙づりになった現場に居合わせた事があります。『とにかく助けなければ!』で救助に入ってしまいました。でも、これは大きな間違いでした。まずは『送電を止める』が先だったのです!もし、救助中に感電事故になっていたら・・・想像したら怖くなります。この時は『感電』は起きなかったし、途中で誰かが気付いて救助を中断しました。
救助中に『2次災害』が起きてしまったら、最も辛いのは『救助されている人』でしょう!たぶん、ただでさえ『責任』を感じているのでしょうから。でも、『救助する側』も『救助される人』の精神面を最大限配慮する必要があると思います。このことがうまくいかないと『せっかく救助しているのに恨まれる』ということも起こります。
また、『救助に成功はない!』ということも心しておきたいです。『入水自殺』の救助をしたことがありますが、この時は『本当に救助して良かったのか』というところから悩んでしまいました。
『事故』『災害』はないに越したことはない!でも、起こってしまった事に対しては、より良く対処しようとすることが必要です。『事故』『インシデント』を自分のキャパ向上につなげたいものです。